画角とは?焦点距離・センサーサイズとの関係と計算式
画角とは何か、焦点距離・センサーサイズとの関係、水平・垂直・対角画角の違い、撮影範囲の求め方を、計算式と早見表で解説します。
画角とは
画角は、カメラに写る範囲を「角度」で表したものです。レンズの前に立ったとき、左右・上下・対角のどこまでが写真に入るかを、レンズの位置から見た角度で示します。画角が広いほど広い範囲が写り、狭いほど遠くのものが大きく写ります。
画角はレンズだけでは決まりません。焦点距離と、光を受けるセンサーの大きさの組み合わせで決まります。同じ 50mm のレンズでも、フルサイズのカメラと、スマートフォンのように小さなセンサーのカメラとでは写る範囲がまったく違います。
焦点距離と画角の関係
センサーの大きさが同じなら、焦点距離が長いほど画角は狭くなります。センサーの幅を 、焦点距離を とすると、水平画角 は次の式で求められます。
フルサイズ(36 × 24 mm)での画角は次のとおりです。
| 焦点距離 | 水平画角 | 垂直画角 | 対角画角 |
|---|---|---|---|
| 14 mm | 104.3° | 81.2° | 114.2° |
| 24 mm | 73.7° | 53.1° | 84.1° |
| 35 mm | 54.4° | 37.8° | 63.4° |
| 50 mm | 39.6° | 27.0° | 46.8° |
| 85 mm | 23.9° | 16.1° | 28.6° |
| 135 mm | 15.2° | 10.2° | 18.2° |
| 200 mm | 10.3° | 6.9° | 12.3° |
| 400 mm | 5.2° | 3.4° | 6.2° |
焦点距離と画角はきっちり反比例するわけではありません。望遠側では焦点距離を 2 倍にすると画角はほぼ半分になります(200mm → 400mm で 10.3° → 5.2°)が、広角側では 2 倍にしても半分までは狭くなりません(14mm → 28mm で 104.3° → 65.5°)。
センサーサイズと画角の関係
焦点距離が同じなら、センサーが小さいほど画角は狭くなります。センサーが写し取るのは、レンズが作る像の一部だからです。50mm のレンズを各センサーで使った場合の画角は次のとおりです。
| センサー | 寸法 (mm) | 水平画角 | 対角画角 | 35mm判換算 |
|---|---|---|---|---|
| フルサイズ | 36 × 24 | 39.6° | 46.8° | 50 mm |
| APS-C | 23.5 × 15.6 | 26.4° | 31.5° | 77 mm |
| マイクロフォーサーズ | 17.3 × 13 | 19.6° | 24.4° | 100 mm |
| 1型 | 13.2 × 8.8 | 15.0° | 18.0° | 136 mm |
| 1/2.3型 | 6.17 × 4.55 | 7.1° | 8.8° | 282 mm |
このため、異なるセンサーのカメラどうしで画角を比べるときは、35mm フルサイズに換算した焦点距離(35mm判換算)を使うのが一般的です。詳しくは「35mm判換算とクロップ係数の仕組み」で解説しています。
水平・垂直・対角画角の違い
画角には、横方向の水平画角、縦方向の垂直画角、四隅を結ぶ対角画角の 3 種類があります。レンズのカタログに書かれている「画角」は、多くの場合 35mm フルサイズで使ったときの対角画角です。
- 撮影範囲の横幅を知りたいとき(建物・人の並び・検査するワーク)は、水平画角を使います。
- 縦方向に収まるか(全身が入るか、天井まで写るか)を知りたいときは、垂直画角を使います。
- レンズどうしを比べるとき、カタログの値と照らし合わせるときは、対角画角を使います。
動画で 16:9 の映像を撮るときは、センサーの上下を使わない(クロップする)ため、写真と比べて垂直画角と対角画角が狭くなります。シミュレーターは出力解像度の縦横比に合わせて、使われる範囲(有効撮像領域)で計算します。
撮影範囲の求め方
撮影距離 のところで写る横幅 は、画角から次のように求められます。
たとえばフルサイズで 50mm のレンズを使い、5 m 先を撮ると、横 3.60 m × 縦 2.40 m の範囲が写ります。距離が 2 倍になれば、写る範囲の縦横もそれぞれ 2 倍になります。
この式は、ピントを遠く(無限遠)に合わせたときの画角を使った近似です。近くにピントを合わせるとレンズとセンサーの間隔が広がり、写る範囲はわずかに狭くなります(薄肉レンズでは )。50mm で 0.5 m 先を撮る場合、近似式では 36.0 cm、この補正を入れると 32.4 cm で、差はおよそ 1 割です。数 m 以上離れていれば、差は無視できる程度です。
また、実際のレンズには歪曲(ディストーション)があり、特に広角レンズや魚眼レンズでは計算値とずれます。ズームレンズやピント位置で画角が変わるレンズ(フォーカスブリージング)もあります。
計算式のまとめ
1. 画角 (FOV) と 視野幅 (Coverage)
レンズの焦点距離 、センサーの有効幅 、被写体までの距離 から、薄肉レンズ(ピンホール)近似の幾何モデルで画角 と視野幅 を求めます。
出力解像度の縦横比がセンサーと異なる場合(例: 3:2 のセンサーで 16:9 の動画を撮る)、センサーの一部だけが使われます。当ツールは出力の縦横比に合わせてセンサーをクロップした有効撮像領域で計算します(36 × 24 mm で 16:9 なら 36.0 × 20.25 mm)。
- : レンズ焦点距離 (mm)
- : 有効撮像領域の幅 (mm)。縦方向は高さ で同様に計算
- : 被写体までの距離 (m)
- : 距離 における水平視野幅 (m)
- : 水平画角 (度)
計算は薄肉レンズ近似による幾何光学計算です。ディストーション(歪曲)、フォーカスブリージング、回折、レンズ収差は考慮していません。