監視カメラで人物を検出・識別できる距離の目安

監視カメラの映像で「人がいるとわかる」のか「誰なのか見分けられる」のかは、被写体 1 m あたり何画素で写るか(画素密度)でおおよそ決まります。DORI(IEC 62676-4:2014)の画素密度の考え方を参考に、センサーと焦点距離ごとの距離の目安をまとめました。

シミュレーターで計算する

画素密度の目安

区分画素密度目安
検出(Detection)25 px/m人がいることがわかる
観察(Observation)62.5 px/m服装など大まかな特徴がわかる
認識(Recognition)125 px/m知っている人かどうか判断できる
識別(Identification)250 px/m人物を特定できる

画素密度 = 横の画素数 ÷ その距離での視野幅 です。距離が 2 倍になると視野幅も 2 倍になり、画素密度は半分になります。

センサー・焦点距離別の距離の目安

各区分の画素密度を満たす最大の距離です(水平方向、画面中央、16:9 出力)。

1/3型・Full HD(1920×1080)

焦点距離水平画角検出(25 px/m)観察(62.5 px/m)認識(125 px/m)識別(250 px/m)
2.8 mm81.2°44.8 m17.9 m8.96 m4.48 m
4 mm61.9°64.0 m25.6 m12.8 m6.40 m
6 mm43.6°96.0 m38.4 m19.2 m9.60 m
8 mm33.4°128 m51.2 m25.6 m12.8 m
12 mm22.6°192 m76.8 m38.4 m19.2 m

1/2.8型・Full HD(1920×1080)

焦点距離水平画角検出(25 px/m)観察(62.5 px/m)認識(125 px/m)識別(250 px/m)
2.8 mm89.7°38.6 m15.4 m7.72 m3.86 m
4 mm69.7°55.2 m22.1 m11.0 m5.52 m
6 mm49.8°82.7 m33.1 m16.5 m8.27 m
8 mm38.4°110 m44.1 m22.1 m11.0 m
12 mm26.1°165 m66.2 m33.1 m16.5 m
25 mm12.7°345 m138 m68.9 m34.5 m

1/1.8型・4K UHD(3840×2160)

焦点距離水平画角検出(25 px/m)観察(62.5 px/m)認識(125 px/m)識別(250 px/m)
4 mm83.8°85.6 m34.2 m17.1 m8.56 m
6 mm61.8°128 m51.3 m25.7 m12.8 m
8 mm48.3°171 m68.5 m34.2 m17.1 m
12 mm33.3°257 m103 m51.3 m25.7 m
25 mm16.3°535 m214 m107 m53.5 m
50 mm8.2°1070 m428 m214 m107 m

必要な焦点距離の求め方

「この距離の人物を識別したい」という条件から焦点距離を決めるには、次の式を使います。

焦点距離 = 必要な画素密度(px/m)× センサー有効幅(mm)× 距離(m)÷ 横の画素数

カメラ5 m で識別10 m で識別20 m で識別30 m で識別
1/3型・Full HD3.13 mm6.25 mm12.5 mm18.8 mm
1/2.8型・Full HD3.63 mm7.25 mm14.5 mm21.8 mm
1/1.8型・4K UHD2.34 mm4.67 mm9.35 mm14.0 mm

ここで大事なのは、ある距離で必要な画素密度を満たしたとき、そこで写る横幅はカメラの画素数だけで決まることです。識別(250 px/m)の条件ぎりぎりで写せる横幅は、Full HD(横 1920 画素)なら 7.68 m、4K(横 3840 画素)なら 15.4 m です。レンズを替えても、この幅は変わりません。

そのため、出入口やレジのように人が通る場所が決まっているところは、その幅に合わせた画角のカメラで識別用に撮り、広い範囲は別の広角カメラで検出・観察用に撮る、という組み合わせがよく使われます。

設置の高さと角度

表の距離は、カメラから人物までの直線距離です。高い位置から見下ろす場合、床面での水平距離よりも直線距離の方が長くなります。また、見下ろす角度が大きいと顔が正面から写らず、画素密度が足りていても識別しにくくなります。顔を識別したい場所では、カメラをあまり高くせず、人の進む方向の正面から撮れる位置に設置します。

注意点

マシンビジョン・外観検査のレンズ選定 / ポートレートの被写界深度とボケ / 風景・パンフォーカスと超焦点距離 / ドローン空撮の撮影範囲と GSD