ポートレートの被写界深度とボケ

ポートレートで背景をぼかすには、被写界深度(ピントが合って見える前後の範囲)を浅くします。F値を小さくする、被写体に近づく、焦点距離を長くするほど被写界深度は浅くなります。代表的なレンズの組み合わせで、ピントの合う範囲を比べてみましょう。

85mm F1.8 で計算する

フルサイズの被写界深度(前後の合計)

許容錯乱円 0.029 mm(センサー対角線 ÷ 1500)で計算しています。

レンズ距離 1.5 m距離 2 m距離 3 m距離 5 m
35mm F1.414.5 cm26.0 cm59.2 cm1.68 m
35mm F220.8 cm37.3 cm85.4 cm2.47 m
35mm F2.829.2 cm52.7 cm1.22 m3.67 m
50mm F1.47.0 cm12.6 cm28.7 cm80.5 cm
50mm F1.89.0 cm16.2 cm36.9 cm1.04 m
50mm F2.814.1 cm25.3 cm57.7 cm1.64 m
50mm F420.2 cm36.3 cm83.2 cm2.41 m
85mm F1.42.4 cm4.3 cm9.8 cm27.5 cm
85mm F1.83.1 cm5.5 cm12.6 cm35.4 cm
85mm F2.84.7 cm8.6 cm19.6 cm55.1 cm
85mm F46.8 cm12.2 cm28.0 cm79.0 cm
135mm F1.81.2 cm2.1 cm4.9 cm13.9 cm
135mm F2.81.8 cm3.3 cm7.6 cm21.6 cm
135mm F42.6 cm4.7 cm10.9 cm30.8 cm

APS-C の場合

APS-C(許容錯乱円 0.019 mm)で、フルサイズの 50mm・85mm 前後に相当する画角のレンズを使った場合です。同じ画角・同じ F値なら、センサーが小さいほど被写界深度は深く(ボケは小さく)なります。

レンズ距離 1.5 m距離 2 m距離 3 m距離 5 m
33mm F1.410.7 cm19.1 cm43.3 cm1.22 m
56mm F1.23.1 cm5.6 cm12.7 cm35.6 cm
56mm F1.43.6 cm6.5 cm14.8 cm41.6 cm
85mm F1.82.0 cm3.6 cm8.2 cm23.0 cm

背景のボケの大きさ

被写界深度は「ピントが合って見える範囲」で、背景がどれだけぼけるかとは別の値です。背景のボケの大きさは、遠くの点がセンサー上でどれだけの大きさの円になるかで比べられます。ピントを合わせた距離を とすると、無限遠の背景のボケの直径 は次のとおりです。

上半身(横幅 1.2 m)が画面いっぱいに入るように、焦点距離ごとに撮影距離を変えて撮った場合の、無限遠の背景のボケの大きさです。画面の横幅に対する割合で示しています。

レンズ・撮影距離F1.4F2F2.8F4
35mm・1.2 m2.1%1.5%1.1%0.8%
50mm・1.7 m3.1%2.1%1.5%1.1%
85mm・2.8 m5.2%3.7%2.6%1.8%
135mm・4.5 m8.3%5.8%4.1%2.9%

同じ構図なら、焦点距離が長いほど背景は大きくぼけます。被写界深度はほとんど変わらない(被写界深度の解説)のに背景のぼけ方が違うのは、望遠ほど背景の狭い範囲を大きく写すためです。背景が被写体のすぐ後ろにある場合はボケは小さくなるので、背景との距離を取ることも効果的です。

ピント合わせのコツ

ポイント

マシンビジョン・外観検査のレンズ選定 / 監視カメラの画素密度と距離の目安 / 風景・パンフォーカスと超焦点距離 / ドローン空撮の撮影範囲と GSD